はじめに

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2016年6月20日月曜日

神戸講演会、コレステロール

2016年6月5日に行った神戸講演会。

その第1部です。

内容はコレステロールについて。




神戸講演会は4つのページに分かれています。

0.導入編


1.コレステロール


2.糖質


3.健康



神戸講演会、第1部「コレステロール」





コレステロールに関してはコチラもご参照ください。

内科医水野のブログ「コレステロールが高い!」




この動画に補足です。
アメブロの方で書いていますが
「コレステロールの薬、出さないの?」


一部の患者さんはコレステロールの薬が必要になります。
ですが、その場合にも「スタチン」は処方しません。




では、以下、内容です。



では、さっそく第一部として、
コレステロール
について話します。

コレステロールについては
今まで2つの事が問われてきました。

・食べるべきか、食べざるべきか。
・下げるべきか、下げざるべきか。


この2つのポイントについて話します。

まずは、コレステロールが多い食べ物について
食べるべきか、食べざるべきか
という事について。

こちらについては知っている方も多いでしょう。

今までは
「コレステロールの多い食べ物は控えましょう」
と日本全国の医療機関で指導されていました。

2013年 アメリカ心臓病学会などが
「コレステロールの摂取基準を設けない」と発表、
そこから約2年を経て
2015年4月に日本でも
食事のコレステロール摂取量の上限値は撤廃されました。

つまり、コレステロールの多い食べ物を
食べて良い、という事です。

これだけ、日本全国の医師・看護師・栄養士が
長年信じて
しかも、患者さんの為を思って、
一生懸命、一生懸命に指導していたこと。

それが変わりました。

コレステロールを多く含む食べ物も、食べて良いのです。

まだまだ知らない人も多いので、ぜひ周りに広めてください。

下手をするとドクターでも知らない方がいます。

さて、コレステロールの2つ目のポイント。

LDLコレステロールを下げるべきか、
下げないほうが良いのか。


コレステロールの薬は
飲んだ方が良いのか
飲まない方が良いのか。


これも良く訊かれます。



このLDLコレステロールは何をしているのでしょうか?


動脈硬化を起こす、不要なものでしょうか。

LDLコレステロールは、
実はコレステロールを体のあちこちに配達しています。

コレステロール=良くないもの

と思っている人には驚きだと思います。

良くないものを全身にばらまくのか?と。

しかし、生理学を学ぶと、むしろ真逆だという事が分かります。
コレステロールは、体に必須です。

まず、細胞膜。
細胞の膜には、コレステロールは必要不可欠です。
しかも、体内には100g〜150gのコレステロールがありますが
その何と3分の1が脳を含めた神経系に分布しています。
何をやっているか、と言えば、絶縁体の役割です。

銅線を包むビニールです。

神経は電気を通す電線みたいなものですが、コレステロールでくるむ
ことで、電気が他に流れたり流れてきたりするのを防ぎます。

ここでコレステロールが足りなかったらどうなるでしょうか?
頭の中の電線が混線します。
情報がきちんと伝わりません。


つぎに、ホルモン。
また色々なホルモンもコレステロールから作られます。
コルチゾール、アルドステロン、
プロゲステロン、エストロゲン、テストステロンなどです。
どれも非常に大切なホルモンです。
これらを作るのにコレステロールは必須です。


さらに、ビタミン。
ビタミン代謝にも重要な役割を果たします。
ビタミンA、D、E、Kなどの脂溶性ビタミンの代謝
にはコレステロールが必須です。


細胞膜、ホルモン、ビタミン。
どれも体にとって、欠かすことのできない要素です。


コレステロールについて学べば学ぶほど
「人体にはコレステロールが必須」
という事が分かると思います。



ですが、思い起こしてみましょう。

医療の現場では、
コレステロールを下げよう、下げよう、としています。
この大きなギャップはどういう事でしょうか?



さらにコレステロールには、合成と再吸収という要素もあります。

血液中のコレステロールの約8割が肝臓で作られています。
つまり、必要なので、わざわざ肝臓で作っています。

コレステロールは胆汁として、一度、腸に出されます。
しかし、腸から再吸収されます。
食事から吸収されるコレステロールは300mg程度。
この胆汁を再吸収するコレステロールは1000mgと言われています。

わざわざ再吸収する、というのは
体にとってそれだけ逃したくない栄養素という事です。

他に鉄やカルシウムも再吸収されていますが、
鉄やカルシウムと同じくらい、
コレステロールは体にとって大切だ、という事です。

このようにコレステロールは
体のあちこちで重要な役割を果たし、
そして、必要とされています。



そんな、大切なコレステロール。

これを、体の中から減らすとどうなるでしょうか?


ここまで聞いてきた皆さんなら
どんな事が起きるか
何となく予想できると思います。

減らすとどうなるかは、
コレステロールを下げる薬の副作用を見れば一目瞭然です。

インタビューフォームというものがあります。
これが、その薬について最も情報量が多いものの1つです。

インターネットで、
「薬の名前」、「インタビューフォーム」と検索すれば出てきます。

ある薬の副作用はこうです。

「健忘、睡眠障害(不眠、悪夢等)、抑うつ
HbA1c上昇、血糖値上昇
海外では腺癌の報告もあり。」


これはどういう事でしょうか?

神経に体内のコレステロールの3分の1が集まっているという
話は覚えていますでしょうか?

まさに脳にもダメージがきます。

また油の代謝を抑えることになるため
体は変わりにエネルギーとして、
糖質を使おうとします。
その結果、血糖値が上がります。

そして、癌細胞を処理してくれる
免疫細胞のコレステロールも抑えてしまうため、
癌もできやすくなります。

とは言え、これは、本当でしょうか?

はい、やってみました。
私の体で実験してみました。

最近話題の「small dense LDL」も測ってみました。

small dense LDLは、超悪玉コレステロールとも言われていたものです。

私の血液データです。

薬ナシの状態はこうです。
TG 170
HDL 54
LDL 244
sdLDL 80.7(基準は60まで)

さすがですね。
LDL超高いです。
普通の人の総コレステロールよりも高いです。

small dense LDLも高いですね。

そして薬を飲み始めます。
コレステロールを下げる薬2種類(ゼチーア、プロブコール)、
中性脂肪を下げる薬1種類です(トライコア)。

3ヶ月後はこうです。
TG 55
HDL 40
LDL 153
sdLDL 48.0

がっちり下がりました。
LDLは140以下が推奨されているのでまだ高い位です。

LDLに加えて、中性脂肪が下がった事もあり
small dense LDLは基準値内になりました。

さて、その時、何が起きたか?

夏なのに寒気がずっとしていました。
超厚着です。

ずっと喉が痛い。
常に風邪気味です。

さらには、夜眠れない。

まさに、免疫と神経に影響が出ました。

この時、ほとんど同じ血液データの患者さんにも
「一緒に同じ薬を飲むことになりますね」と、
同じ薬を処方しましたが
その方もその後、何度か風邪で外来にかかっていました。

これはスタチンなしの実験でしたが、
そのさらに前にはスタチンありで
もっとLDLコレステロールをガッチリ下げた事もありました。

その頃は、HDL 54、LDL 69。L/H比 1.3。
L/H比 1.5以下を目指していた時の私のデータです。

学会などの推奨する、L/H比 1.5以下になって満足していました。

思えば、この間、ずっと不眠でしたし、
毎年インフルエンザにかかっていました。

スタチンを飲む前、大学を卒業するまでは
風邪なんかほとんどひきませんでした。
小中高も、健康優良児状態でした。

という事で、実体験から貴重な学びを得ました。

私、ドクターです。
でも、何年もこれに気づかなかった訳です。
体に良いハズだ!と思っていたため気づきませんでした。

当然、今はコレステロールや中性脂肪の薬はやめています。
夜も眠れますし、風邪もひきません。

この前の冬は、妻と娘がインフルエンザにかかりましたが
濃厚接触した私はインフルエンザにかかりませんでした。
このように、とても元気です。

皆さんなら、どちらを選びますでしょうか?

毎日不眠、毎年インフルエンザ、毎月薬代もかかる、そんな生活と、
よく眠れる・風邪もひかない・薬代もかからない、そんな生活。

でも、こう思う人がいると思います。

「その話はわかったけど、先生、
コレステロールって、血管にくっつくんでしょ?」

これは見方を変えると納得できます。
「なぜ血管にくっつくか?」

従来の説明では「LDLコレステロール」は
とにかく血管の壁に潜り込む性質があるから
血管にあれば壁にくっつくんだ、
という説明でした。

small dense LDLも同様な説明です。
LDLよりもsmall dense LDLの方がくっつきやすそうな性質がある、
という事です。

しかし、最近分かってきた事で、真逆の事があります。

血管の壁が炎症で傷ついているから
コレステロールはくっついて治してくれている。

例えば皮膚でいえば、傷ついた場合はカサブタのようなものです。

でも血管の中は血液が流れているのでカサブタはできず、
その代わりに、コレステロールが傷を塞いでくれます。

傷が治ると、くっついているコレステロールは消えます。

大元の炎症の対策をしていなければ
次々に血管に傷ができ、
コレステロールもどんどんくっつき、
そして、血管がつまっていきます。

ですが、コレステロールは本当は
血管に良い事をしてくれていました。

良い事をしてくれていたのに悪者あつかい。
これはよく、火を消そうとしてくれている消防士さんを
放火の犯人扱いする事に例えられます。

そう、動脈硬化の対策は「コレステロールを下げる」事ではありません。

炎症を起こさない事が、動脈硬化の対策です。

では、何が炎症の原因でしょうか?

2つの代表的なものがあります。

それは

「トランス脂肪酸」
「糖質」

です。


炎症を抑えるような生活、
つまり、トランス脂肪酸を控えて、糖質を控える生活。
そういう生活をしている方では、実際に動脈硬化は改善されます。


半年から1年で20歳、血管年齢が若返った、なんていうのもザラにあります。

さらに心臓の血管が詰まりかけているため
ステントという金属の筒を、心臓の血管の中に入れましょう、
と言われていた方で、
炎症を防ぐ生活をしていたら、
「すごい良くなっていますね!これだったら、ステントは要りません!」
とドクターに言われた、という人もいます。

動脈硬化は改善できます。

また、頸動脈では浅い場所にあるため、
直接この「くっついているコレステロール」
を超音波で見ることができます。
これも、炎症を防ぐ生活をすることで、
消えるのを確認できます。

逆に、トランス脂肪酸も糖質も
ガンガン摂っているという方は
くっついているコレステロールが
増えたり、移動したりしています。



という事で第一部の結論。

コレステロールが血管にくっつくのは炎症の結果。
なので、動脈硬化の対策は炎症を抑える事。
つまり、トランス脂肪酸と糖質を避けると良い。



以上、第1部「コレステロール」でした。


次はいよいよ第2部「糖質」です。







1 件のコメント:

  1. 無知ですみません。
    コレステロール値が低い場合どうしたらいいのでしょうか。

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