はじめに

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2015年7月8日水曜日

冷えるのはナゼ?

今回は、

体が冷えるのはナゼ?について。







糖質制限をすると通常は冷えが改善されます。





しかし、時々、

前より冷えるようになった!

冷えが改善しない!

という声を聞きます。




これはナゼでしょうか?

勿論、色々な理由があります。





その中でかなり多い原因は

low T3 症候群(低T3症候群、Sick Euthyroid Syndrome)


というものです。




聞いたことはありますでしょうか?




これは単純に言えば、体が省エネモードになっている状態です。


栄養が足りない時に、体が代謝を落として省エネモードとなっている状態です。


私達の体は、そんな事までできるんですね。


省エネモードと聞くと良さそうですが、足の冷えや、だるさ、疲れやすい、といった症状が出ます。省エネなので当然ですね。

無月経、便秘、腹部膨満なども起きます。省エネなのです。腸の動きも落ちます。月経もストップです。

low T3症候群になると冷える事があります。エネルギー不足で「体が冬眠モード」というやつです。 

実際に冬眠前の動物も、このlow T3症候群の状態になっています。
T3を抑えて、代謝を抑えます。
そして冬眠します。

症状が出なければまだ良いのですが、冷え、ダルさ、疲れやすさなどが出る場合、改善したいと思うことでしょう。

対策はエネルギー摂取です。


エネルギー不足でlow T3症候群になるのですから、当然ですね。

蛋白質と脂質をしっかり摂りましょう。
エネルギー不足を解消すれば、この省エネモードも解除されます。 




食事誘発性熱産生!?



また冷えに対しては、「食事誘発性熱産生」というのも対策の1つです。


食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって違ってきます。

蛋白質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%が熱産生に回ります。

糖質のみの場合は約6%が熱産生に回ります。
脂質のみの場合は約4%が熱産生に回ります。

肉を食べると体が暖まるというやつです。

お世話になっている、プロの漫画家さんの「おちゃずけ」さんもこの「食事誘発性熱産生」をブログで取り上げています。 

さすが、分かりやすいですね。
一目瞭然です。



また、むか〜し、TVでも見たことがあります。
(元ネタを調べてみましたがハッキリしません。20年くらい前です)

大分前の事なので私の脳内脚色付きです。

元ネタ知ってる方、教えてください。私がスッキリして、喜びます(笑)




イヌイットの取材に日本人タレントが行って、イヌイットの人に訊きました。
「コメは食べないのか?」

するとイヌイットの人はこう答えていました。
「肉を食べないと体が冷える。肉を食え。」

その日本人タレントは、イヌイットの方にコメを勧める気マンマンでした。
ですが上記のやりとりで、自分はコメを食いました。
そしてどうなったか?
体が冷えまくり、最後には「肉食わないと冷える!肉大切!」と肉を食べていました。

イヌイットの方には常識だったようです。

当時は「ほほぅ、やっぱり肉だな(肉好き)」などと見ていましたが、食事誘発性熱産生の事だったんだ、と大分後にわかりました。




病院の外来でも?


外来患者さんでも「冷え」の症状がある人が多いです。


大体、植物性のものを多く食べ、あとは穀類です。
つまり、サラダ、豆腐と、コメ・メン・パンです。
これらが「ヘルシー」だという社会的な刷り込みの影響です。

そして、蛋白質と脂質がガッツリ不足した食事をされています。



女性が冷えやすい、とよく言うのは、まずこの食事が怪しいです。

植物性のものを食べて健康的な食事をしている、と本人が思っていても、体はサインを出しているのです。



もちろん、植物性でも豆を一杯たべたりなど工夫をすれば冷えずに済むかもしれません。
ですが、大部分の人はこのような蛋白質と脂質不足に陥っているのが現状です。



肉・魚・卵・チーズなどを、しっかり摂りましょう

そして、カロリーなんて、忘れましょう。





さて、ガッツリ動物性蛋白質を摂っているのに、ダルさなどがあり、太ってしまった、なんていう場合はT3だけでなく、甲状腺機能全体が低下している可能性があります。

甲状腺機能低下症

というやつです。


医療機関を受診し、TSH、FT3、FT4の3点セットを採血して測ってもらいましょう。ほとんどの医療機関で測定可能です。





また女性の場合は、

鉄欠乏

がある可能性があります。
血清鉄、TIBC、フェリチンも測定してもらいましょう。



鉄欠乏に関してはコチラを。

鉄欠乏について







最後にミニ講座


さて、T3、T3と言っていますが、コレは何でしょうか?

甲状腺ホルモンの1つです。

甲状腺ホルモンを医療機関で測る場合は3点セットです。

脳の下垂体という所から分泌される

TSH(甲状腺刺激ホルモン、thyroid stimulating hormone

が1つ。


そして、TSHで甲状腺が刺激される事で、甲状腺から甲状腺ホルモンが出ます。

これには2種類あって、T3T4があります。


T3は、

トリヨードサイロニン(トリヨードチロニン、Triiodothyronine)

T4は、

サイロキシン(チロキシン、Thyroxin)


この「3」とか「4」は、ホルモン1分子中のヨードの数です。

作用(生理活性)はT3の方が強いですが、血中を循環する甲状腺ホルモンのほとんどはT4です。

甲状腺からT3はほとんど分泌されません。

大部分はT4の形で血液内にあり、肝臓は腎臓などの「末梢臓器」でT4からヨードがひとつ外されてT3になり、色々な作用を起こす、という事です。



なぜこんな面倒な事をしているのでしょうか?

最初からT3を甲状腺が分泌すれば良さそうに思えませんか?

目的論的に言うと、それだけ代謝を微調整をしているから、というのが1つの理由です。

代謝の調整は、とても重要な機能です。
それを甲状腺だけで行うと、どうしても大雑把になってしまいます。

代謝の調整という大役を各臓器に振り分けて調節しているという訳です。


このT4からT3への変換反応は色々な状態によって影響を受けることが知られています。

絶食、外科手術後や悪性腫瘍での末期では、血中T4が正常であるにもかかわらず、血中T3だけが低下しています。

これが、low T3症候群(低T3症候群;Sick Euthyroid Syndorome)です。

新陳代謝を低下させ、活性型甲状腺ホルモン(T3)の産生を低下させ、体を順応させている状態です。省エネモードです。

その分子的な仕組みとして、IL6などのサイトカインが末梢臓器、特に肝臓でT4からT3への変換反応を司どる酵素を抑制している、と言われています。




以上、冷えるのはナゼ?という事についてでした。





1 件のコメント:

  1. おちゃずけ2016年1月15日 8:22

    水野先生、おちゃずけです。
    ご紹介いただいたの気がつかずにおりました。
    ありがとうございます。

    低T3症候群・・・私たち更年期世代は深刻です。

    しかもじわじわとやってくるので
    気がつきにくいです。
    糖質制限をはじめたけど、かえって体調が悪くなった・・・なんて場合は
    低T3症候群を疑ってみる価値ありですよね。

    先日私の友人も、このパターンで先生のところを受診、
    よい結果を得つつあるようです。

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