はじめに

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2015年6月11日木曜日

SPTについて

今回はSPTについて。




講演会の動画を公開していますが、文字ではあまり書いていませんので説明回です。
講演会動画については以前の投稿をご参照ください。




SPTはSpike Prevention Therapyの略で、
糖尿病の食後高血糖を抑える事を主眼に置いた治療法です。
世界で私が最初に提唱致しました。



そしてその最大の目的はインスリンから内服への切り替えです。
HbA1cをキープしたまま、物凄く切り替えられます。
今では私の診ている患者さんでインスリンを打っている方はほとんどいなくなりました。

内服薬で副作用がなければ初回でインスリンは中止できます。
もちろん食事療法も同時に指導開始しています。




なぜ、インスリンから内服へ切り替えるのか?


従来は「糖尿病なら早めにインスリン」が常識でした。
昔は私もそう指導して、患者さんが良くなるように一生懸命インスリンの指導をしていました。現在でも不勉強な医師や、勉強していても国内の学会についてしか知らない専門医は「早めにインスリン」のままでしょう。

傷や熱傷の湿潤療法と同じ流れです。
未だに某大学病院ではゲーベンを使っていますし、カソデックス、ユーパスタ、イソジンなどにさらされている患者さんも多くいます。
新しく老人施設を担当すると、前医の指示で褥瘡が消毒されています。
某大学病院からは私の所にさえ患者さんが逃げてきます。曰く、「痛いし治らない」。

同様のことが糖尿病でも起こっています。
専門医の所から「インスリンを打っていても良くならない」と私の外来に患者さんが逃げてきます。
正解です。講演会の症例のようにあっさり良くなる場合もあります。人生が変わった可能性があります。




糖尿病、湿潤療法について、従来式の治療の治療を受けている場合は、主治医を変えましょう

医師を説得しようとして消耗するのは、もう終わりにしましょう。





さて、従来の「早めにインスリン」はインスリンを打って、膵臓を休ませてあげよう。β細胞が死なないようにしよう、というコンセプトでした。

β細胞については以前の投稿を参照ください。



しかし、この流れに大きな影響を及ぼした研究がありました。
ACCORD試験です。

詳細は例によって偉大なる江部先生が書いてくれています。
ACCORD試験の死亡リスクと低血糖のSMBGサブ解析2011

インスリンやSU剤による強化療法で死亡率が上がるという結果です。
SU剤もインスリンのように、膵臓のβ細胞から強制的にインスリンを出させる薬剤で、持続型インスリンを打った時のように血糖値が下がっても、さらに血糖値を下げる薬剤です。


つまり、インスリンやSU剤で治療して、ガッチリHbA1c値を下げると低血糖で死んでしまう可能性が高い、という事です。

これがインスリンから内服(SU剤を除く)に切り替える理由の1つ目です。




さらに2つ目の理由があります。
講演会で述べました様に、インスリン自体に問題があります。
太る、アルツハイマー型認知症になりやすい、文明国型の癌になりやすい。

さらに、血糖値やHbA1cがよくてもインスリンやインスリン分泌促進性薬剤を使っていると眼底出血したりすることがあります。また尿蛋白が出続けて、糖尿病性腎症の改善がみられない事があります。

こらが2つ目の理由です。
インスリン自体によって臓器障害や様々な弊害が考えられるからです





ではまとめです。



なぜSPTを使ってインスリンから内服へ切り替えるのか?


1.インスリンで治療強化すると低血糖で死亡するリスクが高いから。
2.インスリン自体によって臓器障害などが起こるから。



なので、インスリンから内服へ切り替える場合、まずSPTを使います。
上記の新井先生は高血糖でも臓器障害は起きない、という報告をされていますが、私自身は高血糖による害がないとはまだ思えていません。HbA1cが高いということは体内で糖化(体がコゲる)が起きているという事だからです。これについては引き続き考えていきたいと思います。




そして、SPTでインスリンから内服へ切り替えます。

その後はどうするのでしょうか?


SPT開始と同時に、糖質制限(蛋白脂質食)を指導開始します。
1度目でできる人は10人に1人もいません。
まだまだ皆、米も麺もパンも大好きなのです。

ですが、毎回毎回、糖質制限(蛋白脂質食)を指導します。
批判はしません。
無駄なコミュニケーションだからです。(以前の投稿参照
「あー、ダメダメ、そんな食事じゃあ・・・」と言った瞬間に患者さんの心の扉は閉まります。当然です。誰も批判されたくないのです。



現在の食事内容を共感しながら(メタボMAXだった頃の私を思い出しならが)聴いて、それから、その患者さんができそうな内容について指導します。

「こうすると良いですよ。こんな良い事が起こりますよ。薬減りますよ。通院卒業した人も何人もいますよ。」などなど。


もちろん、「理想的には3食、主食抜き」という最終ゴールも毎回言います。
そう、このゴールは毎回言います

糖質が上がってしまう糖尿病なのですから、糖質を摂らないのが一番良いのです。
糖質は贅肉にしかなりません。筋肉にもホルモンにも細胞膜にもなりません。
ビタミンもミネラルもありません。
摂取すると害にしかなりません。
糖質を摂らないのが一番良いのです。


ほとんどの人が「3食主食抜き」というと驚きます。到底無理と感じます。
まだまだ糖質制限が常識とまではいっていません。
チラっと聞いた事があるくらいです。
ですから、その人の中で「常識化」してもらうのです。


糖尿病の通院は月1回はあります。
毎月、毎月、必ず糖質を控えると良い事をお伝えします。
糖質とオサラバできれば、薬ともオサラバできるのです。
糖質とオサラバできなければ、人生とオサラバしてしまうかもしれないのです。


糖質制限ができれば、糖質摂取による血糖値上昇がなくなる、または減るのでその分、必ず糖尿病薬が減ります。メタボな人はやせれば、降圧剤や脂質異常症の薬も減らせたり、やめたりできます。


逆にSPTに切り替えても糖質が控えられない人は薬山盛りのままとなります。
もしくはさらに増えます。
良い事は一切ありません。



SPTに切り替えて、HbA1cも落ち着いてきた時、次のステップに進みます。

次はインスリン・オフ療法です。

インスリン・オフ療法についてはコチラ。



現在では、インスリン分泌抑制法が一番です。
また糖質制限をきちんと行って、薬も要らなくなれば最高です。


SPTの医師向けの詳細はコチラ






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