はじめに

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2015年6月9日火曜日

便秘と糖質制限

蛋白脂質食(糖質制限食)を摂っていてよくあるお悩みが
便秘

当然、外来でも多く色々と指導しています。
人によって「これは効く」、「これは効かない」など様々です。
自分に合う方法を模索しましょう。



1.脂質

最初にお勧めするのは脂質摂取です。
「脂質=体に良くない」という長年の間違った思い込みにより、無意識的に避けてしまっている例がよく見られます。

料理にはラードやバターを多めに使うのが良いでしょう。

熱にも強いので調理に最適です。

ラードやバターなどの、動物性脂質も摂取しても病気にはなりませんので安心して摂取しましょう。



ちなみにラードと書くと「匂いが・・・」と思うかもしれませんが、

よく売っている雪印さんのラード

無味無臭です。

お値段もお手頃です。
顔や体に塗っても良いです。
というか毎日塗ってます。

ラードは、赤ちゃんでも肌に塗って大丈夫です。
我が家でも、生まれた直後からラードを使っています。


料理に使う以外には、コーヒーに入れるのも良い方法です。

コクがあって美味しいですよ。


生クリームでも便通が良くなる事があります。


同じく今話題のココナッツオイルも熱にも強く調理に向きますが、他の家族から「料理が全部ココナッツオイルの香りがするから、やめて〜」と言われる例が多いようです。ひとり暮らしなら問題ありませんね。

ココナッツオイルの場合は、直接飲む(食べる)か、コーヒー・紅茶に入れて飲む方がほとんどです。最初から多めだと胃部不快となる方がいます。かく言う私がそうでした。

最初から大さじ2杯でもイケるだろうと勝手に思い、大さじ2杯を飲んだら胃部不快。それでも連日大さじ2杯を飲んでいたら両腕に発疹が多発しました。これではイカンという事で少量から始める事をお勧めしています。

ココナッツオイルは、はじめ1日小さじ1杯から始め、徐々に増量し、最終的には大さじ2杯くらいが良いでしょう。朝大さじ1杯、昼大さじ1杯くらいに分けて飲むと良いです。もちろん自分に合わせて摂取してください。各種本も出ています。



脂質が下剤になる、というのは昔からよく知られている話で、「ヒマシ油」は下剤として日本薬局方に収載されています。


シーチキンにマヨネーズをたっぷりかけたものを食べると良い、という方もいます。


またヨーグルトは低脂肪でない方が便秘改善効果が期待できます。
甘くなくても良い、という方はヨーグルトにオリーブオイルと塩をかけて食べる、という方法もあります。







2.ラカント

ラカントも多めに取ると排便を促します。
私の場合は60gくらい一度にラカントを摂取するともう水です。
他の人工甘味料でも良いですが、人工甘味料依存性や、多量摂取時の発癌性がありお勧めしません。




3.その他の飲食物など


また水分摂取を1日2リットルくらいはしましょう、というのもよくある指導です。



チアシードで便秘が改善した例もよく見かけます。

チアシードは小さい種で、水分を吸って膨らみます。

ヨーグルトに入れて食べる方もいます。ラカントSをさらに入れても良いですね。

詳しくはGoogle先生へ!
Google検索「チアシード 食べ方」



アーモンドで出る、という方もいます。
食べ過ぎ時の糖質量に気をつけましょう。



ごぼう茶が良い、という話もあります。

大根おろしが良い、という方もいます。




お腹マッサージ的なのもよく指導されます。「の」の字にお腹をさする、という「の」の字マッサージが教科書的なマッサージ法です。

またお薬を色々飲んでいても強い便秘が続く方が、お好みMEC焼きで改善した例が数例あります。味も普通に美味しいので試すのも良いでしょう。



あとは定番として、運動全般も良いでしょう。
ウォーキングが手軽でお勧めです。



また食物繊維には注意しましょう。
野菜、海藻、キノコ、ナッツ、こんにゃく、果物などは食物繊維が多いです。

一般的なイメージと違い、実際は(不溶性の)食物繊維は、摂り過ぎると逆に腸に詰まります
大腸内視鏡検査でも直前に食べるのが禁止されています。


なお、不溶性の食物繊維というのは、水に溶けない食物繊維という事です。一般に食物繊維といってイメージするのは不溶性の食物繊維です。



4.お薬など

さて医師ですので、お薬について。
下剤は色々あります。


まずは漢方薬の「大建中湯」
これは医師の処方なくても普通の薬局やドラッグストアによく売っています。
効果は緩やかですが、単に便を出すだけでなく他の色々な効果もありますので、長期連用しても安心です。「他の色々な効果」については論文も出ており、消化器専門医もお勧めする漢方薬です。

やせる漢方薬として有名な「防風通聖散」というのもありますが、こちらは「大黄(ダイオウ)」という大腸刺激性下剤が入っていますので毎日ずっと飲むのはお勧めしません。


次にマグネシウム
昔、「にがりダイエット」というのが流行りました。
そう、豆腐を作る時に使う「にがり」もマグネシウムです。
注意点がひとつ、多すぎる量を毎日飲むとマグネシウム中毒となります。
死亡例もありますので、適量にとどめましょう。
医療機関だと血中マグネシウム濃度が測定できますので、過量になっていないかチェックしてもらいましょう。
過量摂取さえ気をつければ連用による耐性などもなく、良いお薬です。


最近の薬、「アミティーザ」も良いですね。
小腸に効いて便秘を改善する唯一の薬です。
ただし、1カプセルでも効きすぎる人がいます。
2分の1カプセルの用量のものはなく、カプセルの中は液体なので量の調節が効きません。
また3人に1人くらいの割合で、気分不快の副作用が出る事があります。特に処方している感じでは女性の方が多い感じがします。
それ以外の3人に2人にはよく効いて良い薬です。


他には「パントテン酸」というものもあります。
かつては「ビタミンB5」と言われていました。
これも効果は弱いですが副作用もなく、腸閉塞の時もよく点滴で使われます。


あとは乳酸菌、酪酸菌、糖化菌などのいわゆる整腸剤です。
これが効くという人もいれば、かえって便秘になったり、ガスが増えたりする人もいます。
便秘と下痢を繰り返す、という人には良いかもしれません。




そして避けた方が良い、なるべく使わない方が良い下剤もあります。
大腸刺激性下剤というものです。
・漢方薬によく入っている「大黄(ダイオウ)」
・センノサイド(薬の名前はプルゼニド、センノシドなど)
・センナ(薬の名前はアローゼンなど)
が代表的です。

センナは「センナ茶」として、市販の薬局などでお茶として売っていますが、それも毎日飲むべきではありません。

大腸刺激性下剤を毎日飲むとどうなるか?
まず下剤が効かなくなります。
そして量が増えて、さらに効かなくなるを繰り返します。
最後に行き着くのは大腸の神経が障害され巨大結腸症となります。
こうなると常に腸閉塞に近い状態になり大変苦しくなりますし、もう下剤は効きません。

既に長年毎日飲んでいる、やめると便が出ないという方はせめて1日おきにしてみましょう。(場合によっては1日量は増量します)
私が担当している老人保健施設(100名以上)で、すべて隔日投与に変更しました。
するとかえって排便リズムができ、長年の便秘が改善されました。


とはいえ、病院で処方される下剤については自己調節せず、必ず主治医と相談してから飲み方や種類を変えましょう


以上、便秘対策でした。





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