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2015年6月18日木曜日

1型糖尿病について

今回は1型糖尿病について。




1型糖尿病は、なると大変な疾患です。
自分の膵臓からインスリンが出ないのでインスリンが手放せません
インスリン製剤が発売されるまでは半年で命を落としていた疾患です。

でも今はインスリンの自己注射ができる時代ですので即失命とはなりません。
医学の進歩ですね。


私は糖尿病治療では、なるべくインスリン注射を避けるようにしています。
なぜならインスリン注射で血糖値を下げると低血糖で死亡するリスクがあるからです。
またインスリン自体による臓器障害や、肥満、認知症、発癌のリスクも回避したいのです。
SPTや低インスリン療法などと言っているのはそういう訳です。

しかし、「完全に発症した1型糖尿病」ではインスリン注射を避ける事ができません。

インスリンが出ないので、外から打つしかありません
でないと、どんどん高血糖になっていき、命に関わります。

また薬も限られてしまいます
ほとんどの糖尿病薬の保険適用が「2型糖尿病」だからです。
作用機序的には1型にも効くのに、保険適用上は1型では処方できません。
製薬会社の方には、ぜひ1型の保険適用も、と事あるごとにお伝えしています。


しかし、まだチャンスがある方もよくいらっしゃいます。

緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)というものです。

診断基準は学会が決めますので、何かと話題の日本糖尿病学会から診断基準を。

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日本糖尿病学会、緩徐進行1型糖尿病の診断基準(2012)

【必須項目】

1.経過のどこかの時点でグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)抗体もしくは膵島細胞抗体(ICA)が陽性である。a)
2.糖尿病の発症(もしくは診断)時、ケトーシスもしくはケトアシドーシスはなく、ただちには高血糖是正のためインスリン療法が必要とならない。b)
判定:上記1、2を満たす場合、「緩徐進行1型糖尿病(SPIDDM)」と診断する。

a)Insulinoma-associated antigen-2(IA-2)抗体,インスリン自己抗体(IAA)もしくは亜鉛輸送担体8(ZnT8)抗体に関するエビデンスは不十分であるため現段階では診断基準に含まない。
b)ソフトドリンクケトーシス(ケトアシドーシス)で発症した場合はこの限りではない。

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という事で、簡単に言えば、GAD抗体とICA抗体を測って診断をします。

ただし、ICA抗体は保険が効かず、1万円以上かかります。
1.5万円程度です。保険適用外ですので医療機関や検査会社によって値段は様々です。

ですので実質的に測定されているのは、ほぼGAD抗体のみです。


で、SPIDDMの場合は、まだ膵臓のβ細胞が全滅しておらず、インスリンが自分の膵臓β細胞からそこそこインスリン出ている状態です。


つまり、膵臓のβ細胞という希望がまだ残っています。
そして、その時がインスリンなしで過ごせるかどうかのラストチャンスです。
完全に1型糖尿病となってしまえば、現状では必ずその後一生、インスリン注射が必要となります。

とはいえ、インスリンの自己注射キットも日々改良されています。
以前よりもずいぶんと良くなっています。
昔は注射針でバイアルから薬を吸う所からしなければなりませんでした。
今はペン型でパチッと打てば、インスリンが打てます。


なお、膵臓のβ細胞については以前の投稿を参照してください。



糖質を摂るとインスリンが出ます。膵臓β細胞ががんばってインスリンを出します。そして過労死します。

緩徐進行1型糖尿病では、さらに糖による免疫異常でβ細胞がどんどんなくなる可能性があります。もちろん、全部が全部、糖による免疫異常だけが原因という訳ではないと思っています。しかし、糖による免疫異常は関係ありそうです。

であれば、どうするか?


どうしたら緩徐進行1型糖尿病の「進行」を止められるか?

チャンスを掴むのにはどうしたら良いか?という事です。

糖質からくる要素が多分にあります。

であれば、糖質の摂取を抑えればよいのです。
できれば、断糖が良いです。

できれば、緩めの糖質制限というよりは、もっときちんと断糖が良いです。

他に進行を止める方法はないのですか?
現状ではありません。

早めにインスリンを打ちましょう、とも言われていますが、そうするとインスリンによる臓器障害があります。お勧めしません。


外来患者さんにも何人もGAD抗体陽性だったり、途中から陽性になる方がいます。
全員に漏れなくこのような話をしています。
こちらも真剣です。

普通の糖尿病とは全く違うという事をはっきり認識して欲しいのです。

しかも今後一生インスリンを打つかどうかの瀬戸際です。
その方の糖尿病においては、とてもとても重要な分岐点です。



断糖するにはどうするか?

詳しくは以前の投稿も参照ください。
体感的変化、糖質制限をしていると起こる変化


まず、コメ・メン・パンは全部抜きます

芋系も全部やめます

フルーツも食べるとしても朝に少量にします。
バナナとドライフルーツはそれでも絶対ナシです。糖質とても多いです。



間食はもちろんOKです。
ただし、糖のあるものは抜きです。

普通の糖尿病なら許される糖質少なめスイーツもやめます



慣れるまではツライかもしれません。

傾向的には女性の方がスイーツから抜けられない方が多いですが、断糖して1-2ヶ月でほぼ糖質を食べたいという欲求自体がなくなってきます



また、薬も膵臓に負担をかけたり、インスリン分泌を増やす薬は即刻やめてもらうべきです。なるべく、膵臓の負担をとり少ないインスリンですむような薬にしてもらう方が良いです。「インスリン・オフ療法」や「低インスリン療法」と言います。





具体的には、SU剤、DPP4阻害薬、グリニド系がインスリン分泌促進薬なので変えてもらった方が良い薬です。


反対にインスリン分泌が少なくて済むようになる薬は、α-GI、メトグルコ、SGLT2阻害薬です。こちらがお勧めです。



現状では、1型糖尿病の発症を抑えてインスリンによる臓器障害を避ける唯一の治療法が、糖質制限と低インスリン治療薬との併用です。


もし、いまかかっている医師が、上記の事を知らなかった場合は、主治医チェンジがお勧めです。速攻でチェンジがお勧めです。


緩徐進行1型糖尿病の方の場合、膵臓β細胞にタイムリミットがあるのです。


医師の探し方はこちらをご参照ください。
病院どこ行く?糖質制限に理解のある医師の選び方



上記の断糖や、病気についてあれこれ考えるとストレスがかかる事が多いです。
実行時には私のブログのストレス対策も合わせて行うと人生が変わります。

ストレス対策



少しでも多くの緩徐進行1型糖尿病の方が1型糖尿病に移行しないことを願っています。






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