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2015年6月20日土曜日

インスリン・オフ療法

今回はインスリン・オフ療法について
インスリン・オフ療法、またはインスリン・オフ治療。
話す時の語感によって、どちらも使います。




SPTの所でもインスリン・オフ療法(インスリン・オフ治療)について少し触れました。



※名前変えました。
2015年6月20日にこの記事を書きましたが、2016年6月5日の神戸講演時に旧「インスリン分泌抑制法」から、「インスリン・オフ療法、インスリン・オフ治療」へと名称変更しました。



インスリンが少なくて済むにはどうしたら?


血糖値を上げないのはもちろん、インスリンもあまり分泌されない、という状況が望ましいのです。

高血糖では糖毒性や、免疫能力低下が起こります。

高インスリン血症は、一部の癌との関連が明らかになっています。
またアルツハイマー型認知症のリスクを上昇させます。
そしてインスリンの作用で肥満が起こります。

さらにインスリンで臓器障害が起こるのではないか、という説があります。

できるなら、インスリンも少ない方が良いのです。

これを目指すのがインスリン・オフ療法(インスリン・オフ治療)です。





食事はどんなのがいい?

もちろん、インスリン分泌が少なくてすむようにするためには、その原因となる糖質の摂取を避ける必要があります。つまり、食事は糖質制限が前提条件です。

そしてできれば、断糖です。





使うとしたら、お薬は?

薬剤はシンプルです。

現状で使える「インスリン分泌が少なくて済むようになる薬剤」は4種類のみだからです。

私が処方する薬で言えば、実質3種類です。


また、どれも「インスリン自体」や「インスリンを出す薬」よりは効果が弱めで、副作用を気にしなければなりません。(ですので、一般的な医療機関ではあまり処方されていません)



強い薬からの変更の場合には、食事をしっかりと糖質オフにしましょう。




<1.α-GI>
腸からの糖質の吸収をゆっくりにする薬剤
2糖類から単糖類への分解を抑制します。略さずに書くと「アルファ・グルコシダーゼ阻害薬」となります。

副作用は腹部膨満感やオナラが出る、便秘または下痢などです。


腸の壁にくっついて作用する薬で、基本的には体内には入ってきません。お腹の副作用さえ出なければ、飲みやすい薬です。また食事毎に飲む薬のため、1日3食の方は、1日3回、食事の直前に飲む必要があります。「直前」は理想的には食事の5分前です。

飲み忘れたらどうするか?は、よく訊かれる質問です。

食後15分以内であれば、多少効果があるとされています。15分を過ぎている場合には、内服しても効果はありませんので、次の食事の前にはきちんと飲みましょう。




<2.メトホルミン>
肝臓に作用して糖新生(血糖を作る作用)を抑制し、
組織での糖取り込みを促進、
小腸での糖吸収の抑制する薬剤。

副作用は下痢や、食思不振、倦怠感、口内甘味などです。
下痢などが多く、3人に1人くらいの割合で副作用が起きます。

また、ダルくなっている場合は「乳酸アシドーシス」という副作用が起きている場合があります。この場合は内服を中止し、すぐに主治医に相談してください。がんばって無理に飲み続けると命に関わる場合があります。


というように副作用が多い薬ですが、増量すれば効き目が強く、しかも価格も安い、という事から欧米では糖尿病の第一選択薬(糖尿病の人に最初に出す薬)となっています。

また最初は500mgから開始して、徐々に増やしていく薬です。1000mgを越えたあたりから効き目が増します。ですので、最初は効果がありません。増やすと効き目が出てきます




<3.SGLT2阻害薬>
尿に糖を出す薬剤
正確には尿を作る途中で1回出したものを再度吸収していますが、その一部をブロックして、尿に糖を出させます。

副作用は体重減少、脱水、尿路感染症などです。
体重減少があるので、やせている方には処方しづらい薬です。

また糖質を共に水分も尿から出て行ってしまい脱水になりますので、この薬を飲んでいる間は特に、水分はしっかり摂るようにしてください。暑い夏場や、寒くてあまり水分を摂らない冬場、寝ているので水分を摂らない夜中など、ご注意ください。

尿路感染は女性に多く起こります。




<4.ピオグリタゾン>
インスリンの効き目を増やすとともに、
肝臓での糖新生(血糖値を作る)を抑制し、
組織での糖利用を高める薬剤。

心不全の方には禁忌です、増悪させます。

他に副作用としては、浮腫や体重増加があります。

男性では膀胱癌のリスクが一時取り沙汰されましたが、根拠となる論文にやや問題があり、それ程気にしなくても良いのかもしれません。

江部先生のブログ参照を。


一時はよく処方していましたが、浮腫や体重増加や心不全の副作用が目立ったため、最近ではほとんど処方していません。



以上の4つです。

当然、それぞれ、副作用があり注意が必要です。


もちろん、最終的には糖質制限をきっちりとして、内服も不必要になれば最高です。



以上、インスリン・オフ療法でした。




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