はじめに

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2015年6月24日水曜日

過去の糖尿病治療結果

今回は糖質制限とSPTの治療結果をざざっと載せます。
非常にざっくり載せていますが、全て実際にあった症例です。
糖尿病は全例2型糖尿病です。



治療変更の開始期間は2014年3月から2015年1月までです。
この間に糖質制限とSPTにて治療した症例です。
症例をご覧いただけば、なぜ自信ありげに講演をしていたか理解頂けると思います。



また、SPTがきちんとSPTとして確立するまでには、患者さんに教えられる事も多々ありました。本当に感謝です。ありがとうございます。



SPTについては以前の投稿をご参照ください。

SPTについて


医師向け、SPTについて



SPTについては、基本的にどれだけインスリンがやめられるかの報告です。
その後は糖質制限を指導しつつ、インスリン・オフ療法へと変更していきます。



なぜSPTか?


糖質制限をしつつインスリンを終了する場合、糖質制限をしっかりすればする程、インスリンを漸減していく途中で低血糖のリスクが増加します

これが非常に危険です。

1回の低血糖発作で命が失われる危険があります。植物状態にもなる可能性があります。たった1回の低血糖発作で、です。

かといって糖質を摂取して、インスリンを打っていたのでは逆効果です。

それよりもインスリンを分泌する薬剤を使ってでもインスリン皮下注射をすぐにやめた方が、低血糖リスクも少なく、糖質制限をしっかりとできる、という考え方です。



従来型治療では1日のインスリンは10単位までしかやめられないと言われていました。
SPTでは97単位のインスリンをやめた実績があります。
これ以上の記録はなさそうです。
というのも、そもそも97単位以上のインスリンを打っている方がいないからです。




SPTはインスリンから内服薬に切り替える時に使う治療法です。
従来薬の組み合わせでできるので、内科医であれば勉強すれば今日からでも使える方法です。
糖質制限と通常の薬剤との組み合わせをするだけです。
保険適用外の薬剤や、サプリなどは一切不要です
特殊な事は何一つないのです。

もちろん、注意点は色々ありますので、上記の前投稿を参照ください。


また「SPT」などと、わざわざ治療法に名前を付けたのは、名前がないと不便だからです。
内科医であれば誰でもできる治療ですし、SPTに近い治療を行っている医師も他に多くいらっしゃると思います。


また、インスリンを終了して、病状が落ち着いたらインスリン・オフ療法と移行すべきです。






それでは症例です。
もちろん全員に公開の許可を取っています


これ以外にも症例はありますが、特に特徴のある症例を記載します。
糖尿病は全例、2型糖尿病です。


糖尿病で内服薬なしで改善、体重8.4kg減少した症例

糖質制限開始前は、HbA1c 6.9%。
糖質制限開始で、2ヶ月後に体重は8.4kg減少、HbA1c 5.9%、糖尿病の内服薬なし。



内服なしでHbA1c11.2%から6.0%になった症例

健診で糖尿病指摘され初診。
糖質制限および内服で治療開始、6ヶ月後に内服なしでHbA1c6.0%に改善。



高齢でも糖質制限で改善した症例

HbA1c 6.1%。Cr 0.9〜1.0程度で、糖質制限開始。
その1ヶ月後、NT-proBNP 362、Cr 0.97。
さらにその6ヶ月後、Cr 0.97、NT-proBNP 279。
さらに1ヶ月、HbA1c 5.8%
体重は8ヶ月で5.3kg減
80歳近くのご高齢の方。糖尿病薬は1種類のみ。
全体的に糖質減らし(毎食糖質はとっていた)、特別な運動なし。



初診時HbA1c11.5%、4ヶ月後に5.6%になった症例

初診時にHbA1c 11.5%、その時より3食糖質制限・内服治療を開始。
翌月、8.6%、翌々月8.1%、初診より3ヶ月目には6.6%
オングリザ5mg、メトグルコ(500)2T、セイブル(75)3T、グルファスト(5)3T。
初診より5ヶ月目にはオングリザ5mg、セイブル(75)3TのみでHbA1c 5.4%。
初診より8ヶ月目にはメタクトLD1錠のみで、HbA1c6.3%



インスリン終了し、SLEのステロイドが減量となった症例

初回でインスリン終了。SLEのためステロイド(プレドニン)内服中も糖質制限にてds-DNA抗体価減少し、ステロイド減量(ゼロにはなっていません)。



インスリン18単位をやめた症例

インスリン18単位を終了、HbA1c 8.3%から6.2%に。



インスリン20単位をやめて体重6kg減少した症例

17年来の糖尿病。
ノボラピッド30ミックス、朝12単位、夕8単位、1日合計20単位で、HbA1c 8.0%
4年後には、ジャヌビア100mg、トレシーバ9単位でHbA1c 7.3%、ただし低血糖頻発。
さらにその1年1か月後、HbA1c 6.4%、体重は6kg減少
さらにその7ヶ月後より3食、糖質制限開始、インスリン終了。
その後さらに2ヶ月後で、インスリンなしでHbA1c 6.3%



インスリン26単位をやめ、糖質制限でも腎機能が変わらなかった症例

HbA1c 7.6%トレシーバを朝26単位皮下注。
2ヶ月後から糖質制限を3食行う。
そのさらに半年後、HbA1c 6.5%
慢性腎不全があり、糖質制限前からCr 1.8台。糖質制限後もCr 1.8と変わりなし。



インスリン36単位を終了した症例

Max時はノボラピッド50ミックス朝24単位、夕12単位で、1日36単位、HbA1cは9.1%。SPT・糖質制限開始し、4ヶ月後にインスリン終了、さらに6ヶ月後には内服のみでHbA1c6.5%



インスリン38単位を終了した症例

4年来の2型糖尿病。
トレシーバ就寝前38単位で、HbA1c 9.2%
SPTおよび糖質制限指導開始後、7ヶ月後でインスリン終了。
さらに2ヶ月後には、HbA1c 6.1%



インスリン40単位をやめた症例

14年来の糖尿病。
レベミル朝20単位、夕20単位、の合計40単位でHbA1c 7.4%
1ヶ月後に、インスリン終了、内服のみへ。
さらにそのその1か月後、HbA1c 6.4%となった。



インスリン41単位を終了した症例

10年来の2型糖尿病。その間、HbA1cはほぼ8%台で経過、他院に通院。
インスリンはヒューマログ朝5単位、昼15単位、ヒューマログミックス25夕21単位で、合計41単位に加えて、グリメピリド0.5mgも内服していた。
当院受診時はHbA1c 8.2%
初診でインスリン終了し、SPT開始。
1か月後にHbA1c7.9%、さらにその1ヶ月後には6.5%へ改善した。
体重は4.6kg減少



インスリン52単位を終了した症例

ノボラピッド朝14単位、夕14単位、ランタス就寝前24単位、合計1日52単位で、HbA1c 7.4%。SPT・糖質制限開始し、3ヶ月後にHbA1c 5.6%、体重は5kg減少(内服あり)



高齢でもインスリン52単位をやめられた症例

トレシーバ52単位HbA1c 8.2%
糖質制限と薬剤変更(インスリン終了・内服へ変更)で、9ヶ月後にHbA1c 6.1%、体重は9kg減少
内服薬は、オングリザ、メトグルコ、グルファスト、セイブル、ルセフィ。



高齢でもインスリン75単位終了、体重8.7kg減少した症例

16年来の2型糖尿病。
ノボラピッド朝19単位、昼13単位、夕13単位、トレシーバ就寝前30単位の合計75単位。その時のHbA1c 9.1%
その4か月後よりSPT開始、糖質制限説明。
そのさらに5ヶ月後にインスリン終了。
そのさらに1ヶ月後、HbA1c 7.2%、体重は8.7kg減少



インスリン76単位を終了した症例

8年来の2型糖尿病。
Max時はHbA1c 9.6%、ノボラピッド朝12、昼24、夕26単位、レベミル夕14単位で合計76単位
内服追加し、レベミル終了、ノボラピッドは朝12、昼24、夕26単位のまま。
オングリザ5mg、メトグルコ(250)2T2xMA、セイブル(50)3T3x食直前。
その11か月後にノボラピッドも終了(HbA1c 7.8%)。
さらに1か月後には、HbA1c 7.4%



インスリン76単位をやめ、体重9.4kg減少した症例

24年来の2型糖尿病。
MAX時はノボラピッド70ミックス、朝12、昼22、夕26単位、レベミル就寝前16単位の合計76単位、HbA1c 8.2%
10ヶ月後にSPTへ変更。
その8ヶ月後、体重は9.4kg減少、HbA1c 6.1%
内風はオングリザ、メトグルコ、セイブル、グルファスト、ルセフィ。



インスリン97単位を終了した症例

11年来の2型糖尿病。
Max時は、ノボラピッド朝21単位、昼23単位、夕21単位、トレシーバ昼32単位の合計97単位
治療方針変更し(SPT)、その5ヶ月後にインスリン終了。
そのさらに1ヶ月後、HbA1c 6.5%、体重は14.3kg減少



以上、SPTの治療結果でした。



処方はどうしていたか?


内服薬については、インスリンからの切り替え時は
ルセフィ(2.5)1T1xM
オングリザ(5)1T1xM
メトグルコ(250)2T2xMA
グルベス3T3x食直前
のような処方で、SPTを開始していました。


次回外来で、
ルセフィを5mgへ増量、
メトグルコ(250)2Tを(500)2Tへ増量
グルベスを、セイブル(75)3T3x食直前プラスグルファスト(10)3T3x食直前
などへ個別の状況に合わせて変更します。


SPTでの最大処方は
ルセフィ(5)1T1xM
オングリザ(5)1T1xM
メトグルコ(250)3T3x食直前
メトグルコ(500)3T3x食直前
セイブル(75)3T3x食直前
グルファスト(10)3T3x食直前
グルファスト(5)3T3x食直前
でした。


当然、なるべく短期間でグルファストは減量・中止していました。
その間に、受診時は毎回、粘り強く糖質制限を指導しました。
説明書を渡したり、栄養指導を入れたり、あの手この手でした。



蛋白脂質食(糖質制限食)のA4裏表の説明書




上記症例時にはピオグリタゾンは使用していませんでした
インスリン・オフ療法にてピオグリタゾンを一時使用していましたが、副作用(浮腫・体重増加・心不全)が目立つため、やはり処方を控えています。


SGLT2阻害薬は他剤も大体は使用しましたが、ルセフィが最も副作用が少ない印象でしたので、主にルセフィを使用していました。効果もありました。


最近ではできるだけ早めにインスリン・オフ療法へと変更しています。
SPTを経ずに、インスリン終了とインスリン・オフ療法を開始する場合も出てきています。ですが、副作用のなく安定して内服に切り替えられるのはSPTを経る場合です。

まさにインスリンをやめる、という一点に関してはSPTは優秀です。
しかし、糖質制限なくしては治療効果は続かない治療法ですので、同時進行で糖質制限をしっかり指導して、薬剤もインスリン分泌抑法へと切り替える必要があります。
ずっとSPTのままではグリニドやDPP4阻害薬によって、β細胞が減っていきます。



減薬はどうするか?

優先してやめるのは高インスリン血症を起こす薬剤です。

上記の処方例ですと、
グルファスト、オングリザの順でやめます

その後は、副作用やコンプライアンス、体重などで減らす薬剤を選択します。

糖質制限がしっかりできると、面白いように薬が減らせます。
実際、薬を減らすのが楽しみになります。



以上、治療結果でした。






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