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2015年6月17日水曜日

引き算の考え方

今回は一風変わって、考え方について。



1.安定と不安定、安心と恐れ


人生は考え方1つで変わります

私達は学校で「勉強して、いい大学に行って、いい企業に就職しなさい」と教育されます。そうやって育ちます。

そして安定した雇用を目指すように言われます。


この「安定」が曲者です。

この「安定」は、不安定に対する恐怖の裏返しです。

安定した職につけないと、給料がもらえずに食べていけなくなるんじゃないか?、という恐れです。


つまり学校で、さんざん「安定した職につけないと、生きていけないぞ」と脅されているようなものなのです。だから勉強しなさい、と続きます。

違うでしょ。
面白いから、楽しいから勉強する。
自分に必要だと思うから学ぶ。
これが本来です。

脅して勉強させる方が圧倒的に簡単なのです。
ですから、つい、「安定した職のために勉強」となるのです。

楽しさ、面白さを伝えるのは頭を使う必要があります。
しかし、基本、頭を使いたくない、と思うのが普通なのです。

現場の先生がどうとかではありません。
良い先生はたくさんいらっしゃいます。
全世界に共通した教育システムの話です。

良い先生は、面白さ・楽しさを教えてくれます。
学ぶ事を好きにしてくれます。
何人もそういう先生がいました。ありがとうございます。

ですが根幹のシステムが「恐れ」に根ざしているのです。


ですので、私達の考えの中には知らず知らずに「恐れ」が植え付けられています
不安定さに対する恐怖です。



2.足し算の考え方


さて、これの話が医療にも通用します。
だって、医療を牽引する役割の医師はどんな人でしょうか?
まさに「安定した職」につくために勉強した人です。

もちろん、患者さんを救いたいとか、病気を治したいとか、苦しみをとってあげたい、というアツい心を持った方は別です。そういう先生はひと目みれば分かります。患者さんからみても当然分かります。言動が違うのですから。そして常に学び続けています。

でも成績が良いから医師になった、何となく医師になった、医師になってから出世や権力や名誉欲に目がくらんだ、そういう人はどうなるでしょうか。

やはり「安定」を求め、「不安定さ」を恐れます

そして「足し算の考え方」は「安心」です。
今あるものを変えずに足すだけです。
不安定さは感じません。
治療も同じです。
新しい薬が出た、それを使えばよいのです。
足し算です。

学会などでもすぐに受け入れられます。
反発もありません。
足せばいいのですから、安定感も増すような気持ちがします。
そして恐れも抱かずにすみ、安心するわけです。
さらに最新の治療をしているぞ!、がんばっているぞ!という気分にもなります。


当然、「足し算の考え方」自体が良いとか良くない、とか言う話ではありません。
単純に受け入れやすい、という事です。
「足し算の考え方」自体は非常に有用なのは皆さんも分かっていると思います。

ですが、足すだけではいけない、というのもうっすら感じているはずです。
でもその心の声を無視している。
なぜなら怖いからです。
そして、その恐れている自分を認めたくないからです。



3.引き算の考え方


ですが、引き算の考え方はどうでしょうか?

何かをやめなければなりません。
それは何かを失ってしまうような気がして、「不安定さ」を感じさせます。
その「不安定さ」を恐れ、感情が拒否します。
あまりにもその心の動きに慣れているので無意識に否定したくなるかもしれません。

するとその心の動きで無意識が動き始めるのです。
「この考えは怖い。否定するための理由を見つけよう」という動きです。

すると最もらしい理屈が浮かんできて、理論武装は完璧です
最もらしい理屈はどれだけでも作れます
最もらしい論文でさえ、どれだけでも作れます
一生、恐れに対して言い訳を続ける人のいかに多いことか。


世の中にはこの不安定さへの恐れに対する「最もらしい理屈」が溢れています。
溢れかえっています。


医療において、この「最もらしい理屈」で多いものを紹介しましょう。


医療で多いのは「エビデンスがない
新しい治療法にエビデンスがないのは当たり前です。
これからエビデンスを作るのです。
こう言う人は考えていません。
引き算に対する恐れで思考停止です。


また〜かもしれない。危険である。」も同じです。
「引き算の考え方」に対する恐れそのままですね。
かもしれない、ならいくらでも言えます。
意味がありません。
その人だけでなく、周囲の人までこの恐れに巻き込む考え方です。
周りの人が前に進むのも「恐れ」でしばって、止めるのです。


同様に「責任はとれるのか、何か起こったらどうするんだ?」も同じです。
恐れそのままです。
起こっていもいない事ををアレコレ考えて、恐れ、しかも周りも止めようとします。
本人も恐れや不安で必死です。


また今までたくさん積み上げてきた人ほど、安定さに必死にしがみつきたくなります
だって、そうでしょう、一生懸命、必死に積み上げてきた。
それが不安定となり、なくなるのではないか?と不安になります。
そしてそれに対する恐れから、無難な事しかできなくなります
足し算ばっかりです。
考えはゴチャゴチャしてきます。
不安やストレスでいっぱいになります。
それでも、歯を食いしばって安定さにしがみつきます。
恐れで満たされてしまっています。


そういうの、もうやめませんか


こうしたら、どう言われるか?
こうしたら、どう見られるか?
人からどう見られたいかも、引き算しませんか。
ストレスから自由になりませんか。



足し算のやめ方はストレス対策の所に記載しています。
ご参照ください。

ストレス対策




また、このストレス対策となる方法について講演もしています。

今に集中!







4.治療法について

患者さんの立場からすると、本当に不思議でしょうがないと思います。


湿潤療法はすごく簡単です。
消毒もガーゼもいらず、何だったら自分でできます。
病院にいく必要さえないかもしれません。
そして、痛くないし、すごく治ります。
シンプルで分かりやすい考え方です。


糖質制限も同様です。
糖質で血糖値が上がるし、太る。
だから糖質を控えましょう。
シンプルで分かりやすい。


なぜこんなにも広まらないか?

簡単です。
怖いからです。
無意識に恐れ、無意識に否定するのです。

どちらとも、完全に「引き算の考え方」です。


今まで足しまくってきた人ほど、拒否したくなるのです。
つまり積み上げまくってきた偉い人も、最前線で足しまくってきた人も拒否します。

今まで一生懸命足してきたものを引かなければならないのです。
恐怖MAXです。
怖いのです。
不安定さに恐れおののくのです。

だから広がらない。
湿潤療法も糖質制限も未だに学ばない、実践しない人がいるのはこういう理由です。


私だって糖質制限の時はそうでした。
コメを食べないって、そんなバカな。
最前線でコメを3食たべよう!と毎日のように指導してきたのです。
糖質制限を知って半年間は考えました。勉強しました。

勉強すればするほど、従来のカロリー制限の根拠のなさに気づきました。
というか全く根拠などありませんでした。

そして自分で実践し、まさに効果を実感しました。
そして今では糖質制限を推進しまくっています。
毎日外来で糖質制限の指導です。


引き算の考え方にふれた時が分かれ目です。
引き算できる人は、前に進めます。


もうそろそろ、ありもしない恐れで自分や周りをしばるのはやめましょう。





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